#06 湘南に暮らす画家の日常 【香久山雨スペシャルインタビュー】


香久山雨スペシャルインタビュー「創造の向こう側へ」ナビゲーターをつとめます、マインドフルネス・セラピストの三嶋かよです。




三嶋かよ:体調はどうですか?最近体のコンディションは。




香久山雨:ここ一週間ぐらいでやっと良くなってきた。




三嶋かよ:一時ちょっと辛かったかな?




香久山雨:そう、ちょっと辛かったんだけど、波がある。その波に、理由は特にないっていうことも分かってる。なんとなく気候とか、季節によって体調が良くなったり悪くなったりっていうのが、ある人間。そういうのは、わりと敏感な人間だっていうのは昔から知ってるから、それに争わないっていう努力はずっとしてきてる。無理しないっていうことなんだけどね。できない時はできない、調子いい時は調子いいからいっぱいやる、でよし!みたいになって、ここ一週間は調子いいから、もりもり書いてるって感じ。出来ない時はひどいよ、ずっと寝てる日もある。

起きれない日も結構ある。




三嶋かよ:そこで無理に起きて「駆り立てて描く」みたいなことはしないんだね。




香久山雨:しない。雨降ってる日とか、やっぱり起きれない私は。




三嶋かよ:そうか、影響を受けちゃう。




香久山雨:だるいもん。無理して起きられるけど、無理しなくていいもん。調子いい時に進むんだから、調子悪い時に無理することないから、そういう時は寝てます。




三嶋かよ:無理しないのは前から?




香久山雨:20代前半まではすっごい無理してた。




三嶋かよ:なんか、そんな印象がある。




香久山雨:してた。無理してたから病気になったよ。バセドウ病っていう、甲状腺の病気になって。あれ発症してる時って、ずっと脈が早いんだよね。だから何もできないんだよね、疲れちゃって。その時に、本当に病気になって何もできないっていうのはこういうことなんだって思い知って、だから天気の悪い日に何もできないことぐらい、どうってことないわって思った。


だって天気は良くなるじゃん。良くなるのを待ってれば良かったんだ私って。

良くなるのを待てずに一生懸命やりすぎて病気になるのは本末転倒。だから「調子が悪い時は待つ」っていうことを私は26歳ぐらいの時に覚えた。




三嶋かよ:そうか。そこから自分の体の声っていうのかな、ちゃんと聞いてあげてるってことだよね。結局、絵を描くにも体力を使うしね。無理して体壊したら、それこそ描けなくなっちゃうしね。




香久山雨:そう。多分ね、みんなが思っている以上に体力仕事。長距離マラソン。




三嶋かよ:長距離を走り切るためには、きちんと休むっていう選択をしてあげるって事が、何よりだよね。故障したら、とてもとても走れないからね。毎日、創作が中心とはいえ、生活はしなきゃいけないので、もちろん食べるとかもそうだし、

家の片付けをしたり、それこそ創作以外のブログに発信するとか、いろんなタスクというか、作業があると思うけど、いろんなタスクの中で、創作のために意識していること、優先順位付けみたいなものは、雨さんの中にある?




香久山雨:優先順位はないの。なくて、やんなきゃいけない事っていうのがない、私の生活には。絶対にこれをしなければいけないっていうのはなくってやりたい時に、やりたいことをやっていれば生活が成り立っているっていう環境を創ってる。


掃除もそうだね。三大欲求みたいなことは、睡眠とか食事とかっていうのは、眠かったら寝るじゃん人って、食べたかったら食べるじゃん。それと同じで、掃除したかったら掃除するしみたいな感じ。本読みたかったら本読むし、働きたかったら働くし、みたいな感じ。


まあでも、働くっていうのはあれかな、一応待ち合わせがあるから、

お客さんとの。やんなきゃいけない事って取れるかもしれないんだけど、でも私の中では製作の息抜きだから、もう。だから「ちょっと絵から開放される!わーい!」っていう感じ。




三嶋かよ:なるほどね!強制的に開放してくれるわけだからね。




香久山雨:強制的に、私を絵から開放してくれるありがたい存在が仕事なの。




三嶋かよ:面白いね、そのバランスは!




香久山雨:絵画教室とか、エステサロンの仕事は今はそういう感じ。なんでも、絵を気持ちよく続けるために全てがある。食べることも掃除することも、寝ることも仕事もって感じだね。




三嶋かよ:私から見えてる雨さんって、何でもできちゃう人なんだよね。やろうと思ったら多分、何でもできちゃう。今回のこのインタビューもそうだし、

私のセッションを受けに来てくれた初めの時も「人に頼ってみよう」って初めて思ったっていう風に言っくれてたのがすごい印象的だった。




香久山雨:覚えてないけど、言ってたんだね(笑)




三嶋かよ:今、創作期間中で、多分それ以外のことに意識を向けるっていうことをしたくないって言うか、その暇もないっていうか、気持ち的な忙しさみたいなものもあると思うんですけども、「人に頼る」っていうことを、雨さんの中で今どんな風に捉えていますか?




香久山雨:人に頼るっていうのは、これもやっぱり、何て言うのかな、自分に対して許しを与えるって言うのと同じだった。で、私、今絵を集中して描くために、国から200万円借金したんだよね。それが、金利が0.36%くらいで、めっちゃくちゃ安いのよ。で、なんでこんなに安いかっていうと、コロナだからだよね。情報を見た時に「借りないと損じゃん」みたいに思ったわけ。


なんとか今まで通り働いてれば、別に借りなくても生きることはできそうだったのよ、個展まで。「ここでちょっと奮発するか」っていうか「奮発して自分を甘やかすみ」たいなことを、やってみたくなったんだよね。私ははやっぱり、この個展に向けてる気持ちっていうのが大きくって、やっぱり絵のためにできることは、何でもやってあげたいと思ったんだよね。


まあ要するに「絵を描く自分のためにできることは何でもやってあげたい」って感じなの。という時に今借金して、個展が終われば、どうせちょっと絵を描くことから離れたくなるのは目に見えてるからその時にいっぱい働くとかね、っていう方がいいって思った。前だったら多分ね、こういう決断はできなかったと思う。ちょっと前なら。「そこまでして絵を描きたい?」って感じだった。「200万借金してまで、絵描きたい?」みたいな、そこまでじゃないかなーって感じだったんだよ。やっぱり半年ぐらい前の私だったら。半年じゃないか、一年前ぐらいだったらね。


でも、今の私は「描きたい!」みたいな感じなのよね。だから「描きたい」っていう自分がいる以上、描かせてあげたいんだよね。「じゃあ分かりました」って「国に相談しに行きます」みたいな。




三嶋かよ:二人の雨さんがいるんだよね、きっとね。「描きたい!」って言ってる雨さんと「よしよし」って「じゃあその為にはどうしたらいいか」っていうね。




香久山雨:そうそう、何かしらして「資金繰りしてくるよ」っていう自分がいて、まあ、口八丁手八じゃないけど、国の人の前で、「こういう理由でお金がいるんです」みたいな、涙ぐましい感じのことをちゃんと言って、それっぽいことっていうか、嘘は言っていないけど(笑)ちゃんと言って、「200万円貸せます」ってなったわけ。そういう風にして「やりたい!」っていう気持ちをサポートしてあげる気になったっていうのが、大きい。


かよさんの存在もそう。無理すれば、いなくても乗り切っちゃう。私は絶対。その200万円だって借りなくても乗り切っちゃう、どうにかして。でもそこで敢えて「頼ろう!」みたいな、自分に対する愛情表現の幅が広がったなって感じ。




三嶋かよ:なるほどね。自分への愛情なのね。




香久山雨:そうなの。自分への愛情表現っていう感じがする。で、やっぱりそうやって自分への愛情表現をしてみると、いいもんだなって思う。すごく。お金を貸してくれる人がいるっていう事とか、私の話をこうやって真剣に聞いて、引き出してくれる人がいるって言う事を、頼らないと確認できないわけじゃん。頼るって決めたらから、確認できたわけだから。ここで私が自分に鞭を打って一人で何でもやってしまったら、自分の周りに優しい人がいるって事に気付けないわけだよね。


だから自分に優しく振る舞うことで、自分の周りにいる人の優しさに気づけるから、すごい大事なんだなって自分を大事にするって言うのが。周りの人がどれだけ優しいかってことに気づけるもん。




三嶋かよ:自分を大事にしてない人は、それに気つけてないっていうね。ある意味ね。




香久山雨:やっぱり、人に頼るっていう経験をあまりにもしてこなかった人は、自分の周りにいる人の優しさに触れる機会が少ない、絶対。「できない」っていうのは大事だと思う。「できない」って言えばそこに活躍の場を与えられるから、人に対して。「あなたができないんだったら、私がやるよ」って、そういう声を上げるきっかけを与えられるわけだから。それはすごく社会貢献だよね。なんでも自分でやった駄目だわって思った。




三嶋かよ:「助けて」って言うのは勇気がいるけど・・・




香久山雨:勇気がいるけど、言ってしまえば良いこといっぱいって感じ。




三嶋かよ:案外みんな「いいよ!」ってなるものなんだよね。案外優しいんだよね。周りのひとは。




香久山雨:意外と優しいんだよ。




三嶋かよ:気づけてなかっただけで。




香久山雨:優しいし、気付こうとしてなかっただけなんだなって。私が周りの優しさに気付くもんか!みたいな意地があったから・・・




三嶋かよ:(笑)そうかそうか。受け取りたくないんだよね、その優しさを。




香久山雨:そうそうそう。差し出されても受け取る気がなかったと思う、ちょっと前だったら。やっと「受け取ってもいいや」って思えるようになって受け取ってみたら「ああ良いものだな」って思えるようになったから、これはすごい幸せなことだなって思う。




三嶋かよ:最後に、私から見えてる雨さんの無邪気さみたいな話をしたくて。さっき、絵を描くことはマラソンを走りきることに似てるっていう話してくれたんだけど、「体と心のバランスの取り方」っていう話をしたくて。その中で、絶対話して欲しいのが(笑)実はスケボーをすんだよね、雨さん。意外にも!




香久山雨:そう!すごい下手だよ(笑)




三嶋かよ:それでも果敢に!(笑)




香久山雨:果敢にやりすぎて指を脱臼するっていう事件があったから、夏に。




三嶋かよ:だいぶ本格的にっていうか、夢中になってたよね、当時。




香久山雨:夢中だった。特に夏は本当に楽しかったね、スケボーが。夜暗くなってちょっと涼しくなってきた時にね、スケボーでスーーーっと風を感じるわけよ。下手なりに。この快感はね、なかなか他では味わえんって思って、私がハマってるのはスケボーと海水浴なんだけどね。




三嶋かよ:おーーー!最高だね!おしゃれ!




香久山雨:で、帰ってくる最中に指を脱臼しましたから(笑)なんかね、スケボーとか、私がすごい好きなところは、「自分の体がここにある」って言うことを思い出せることにある。今、私が絵を描くスタイルっていうのは、体をあまり使わないんだよ、大きくは。絵って、指先を使う、手首を使う肘を使う、肩を使う、もしくはもっと大胆に体を使う、いろんな体の使い方がある。けど、今の私の制作スタイルは、手首から先しか使わないの。だから、肘からそれ以外が、なんか「余り物」みたいな感じで、ちょっと鈍ってるのよね。だけど本当は、体って全部使われたがってるから、手首から、体の方にくっついてるものたちを、どうにかして使ってあげないといけないんだよね。


で、スケボーがちょうどいい。「体を使ってあげます」っていう感じなの、私にとって運動って。特に、バランスを取らないといけないから、スケボーは。腰とか下半身にすごい意識が向くんだよね。そこを鍛えると、なんかね、「自分の体がここにある」って言う事を思い出す。絵を描いている、忘れるの。悪いことじゃないんだけどね、のめり込んでる時だから。でも、絵を描いてる時に感じるのめり込みと、スケボーやってる時ののめり込みっていうのは、私の中では種類が違って、その二つがあって初めて身体全体の存在感が整うっていうのかな。良いバランスで私は感じられる。




三嶋かよ:それがスケボーだっていうのがすごい面白い!




香久山雨:引っ越したからだね。湘南の街に引っ越して、一年前に。湘南の街は、やっぱりサーファーの街ですから、みんなサーフィンできない時とか、あと地上訓練の時は、スケボーをやるんだよ。




三嶋かよ:そういうことか!




香久山雨:多いの、スケボーやってる人が。スケボーやってる少年たちを見て

私はすごく羨ましくなって「私もやるよ!」みたいな「30歳のおばさん、スケボー始める」みたいな感じよ。一人で、若者に混じって(笑)




三嶋かよ:夢中になってスケボーやってる雨さん、ちょっと見てみたいな(笑)前一回、動画でチラッとみたけどね!可愛いらしかったよね。そういう、無邪気な一面もある。あまり、静止画では伝えにくい雨さんの一部な気がする。




香久山雨:そうそう、動いてないと分からないよあれは。今まで何だろうな、静止画がで伝えられる発進が多かったからね。文字を載せるとか、写真を載せるとか、そういうんじゃなくって、スケボー乗ってるのは発信したことなかったけど、みんな面白がってくれてて何よりです。




三嶋かよ:だいぶみんな、微笑ましく見ていた(笑)個展の期間中は、雨さんに会えるの?




香久山雨:基本的には、ずっといるつもりだけど予定が変わるかもしれないので、その時は何かしらの方法ブログとかでお知らせします。




三嶋かよ:はい、ありがとうございます!次回は最後の回になります。

個展に向けて、今ここにある雨さんの想いを届けていきたいなと思います。

今日もありがとうございました!


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